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QEDシリーズ

【式の密室】


著者:
発行年月:
出版社:
ISBN:
高田崇史
02.01.10
講談社ノベルス
4-06-182229-2
著者からのコメント:
 テーマは「草木悉皆仏性」。
 車を運転していて、信号待ちをしている時だった(このシチュエーションは、本当に多い)。「天の声」が聞こえた。頭の中で、ガツンと音がした。
 と同時に、この本、丸々一冊分のストーリーが出来上がっていた。その間、約1.98秒。ゴルゴ13が、スミス&ウェッソンを3回ホルスターから抜く間であった。そして今まで納得のいかなかった、安倍晴明に関する謎が、頭の中でドミノ倒しのように順番に氷解していった。あれらは全て現実の話がそのまま書かれていたのに、勝手にこちらの頭の中で変換していただけだったのだ、と確信した。
 しかしその時すでに、講談社ノベルス創刊20周年記念「密室本」は、千波くんシリーズで行きます、と担当のキッチュ・N川さんに告げていたので、急遽差し替えてもらうことになった。
 というのも、ここからずっと話が繋がっていきそうな感じがしたからで(実際に、次の『竹取伝説』まで繋がった)とても厚い本になってしまう予感がしたからだ。それならば、ここで一度切っておけば、ちょうど(文三の冗談としか思えなかった)「密室本」の規格にも、ぴったりと当てはまると思ったからである。それに『敗け密』の方は逆に、どうしても「密室本」規格に収まりきらないなあ……という感触があった。それならば一石二鳥、渡りに舟、七転八起(?)とばかりに、こちらを「密室本」にしてもらった。

★ここからは最重要機密であって、反転にしてもいいくらいなのだが、高里椎奈さんはこの「密室本」は、全く新しい企画として(つまり、今までのシリーズものではなく)書き下ろさなくてはいけないと思っていたらしい。しかしこれは、担当のN川さんの(彼女にもっとたくさん書かせようという)黒い陰謀によるもので、いたいけな彼女は見事にその罠にはまってしまい、新シリーズを書き下ろすハメになってしまった。こうやって、少女は大人の毒牙にさらされていくという、典型的な見本である。――結果としては『ドルチェ・ヴイスタ』という素晴らしい作品が出来上がったけれども。
 
 この本発表後、一部の人たちの間で「文芸第一以外は××じゃない」とか「京大出身者以外は××ない」とかいうジョークが(特に音羽二丁目近辺で)流れていたそうであるが、そういう軽いテーマではないことを知っていただきたい。(しかし、言い得て妙な例えではある。このような軽い冗談が、真実を鋭く抉っているということは、往々にしてよくあるものだ)
 目次は、カクテルとリキュールの名前を、勝手に(陰陽五色を使って)和訳した。