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千葉千波の事件日記シリーズ

【試験に出るパズル――千葉千波の事件日記(4〜8月)――】


著者:
発行年月:
出版社:
ISBN:
高田崇史
01.09.05
講談社ノベルス
4-06-182205-5
著者からのコメント:
 これは、前担当者のS木さんと、今はなき「神宮前ラジオ」で酔いどれていた時に、こんなのはどうでしょうかね、と冗談で話していたことが、そのまま小説になった作品である。
 この世界に(片)足を踏み入れて初めて知ったのだが、「パズルじゃないんだから」という言葉があるらしい。これは余り誉めている言葉には聞こえないから、小説に比較して、パズルは軽いものだという意味なのだろうか? 軽いといけないのだろうか? よく分からない。大体、比較できるものなのかどうかも分からない。何しろ私は幼少のみぎり、なぞなぞとパズルの本から文字を覚え始めたという体験を持つので、そこらへんの感覚の判断がつかない。
 なお「赤い帽子と白い帽子と嘘つきの問題」は、ある日ふと閃いた(というよりも、ただ単に二つをミックスさせただけだが)。しかも、問題と答えを、ほぼ同時に思いついた。しかし、いざ証明する段になって、どうしてこんなものを考えちゃったかなあ、という慚愧と悔恨の念に襲われたことを告白しておく。とても面倒だった。
 あと、作中のパズルは、できる限り原典を記載するように努めたけれど、なかなか作者の分からないものも多く、それらは仕方なく作者不詳とした。パズルは、かなり有名なものでも、意外と作者が知られていない場合が多いのである。これは、カクテルと共通している。創作者の判明していないカクテルも、思いの外多い。マティーニやギムレットでさえそうだ。未だに創作者の確証はない。それに、サム・ロイドたちのように、わざとへんてこりんな名前を使ってパズルを発表していたりすることもあるので、私たちのような良心的な読者は、あっさりと騙されてしまう。(以前に藤村幸三郎さんが、多湖輝さんの『頭の体操』に載っているパズルの出典について、言語道断な誤り! と怒っていらっしゃったので、私の場合もそうならないように先に言い訳をしておいた)。
 また、この本の上梓後、パズル(というかクイズ)の別解をたくさんいただいた。これは素晴らしいことであるし、また読んでいて非常に楽しかった。IQテストなどになると、別解を思いついてしまったために正解の番号を選べなかった、という不幸な人も実際にいたりする。(果たして、そういう人のIQは一体誰が計測可能なのだろうか? まあしかし、テストと名の付くものは多かれ少なか
れそういったものかも知れない)そういう観点から見れば、私の小説などは(小説だし)実に気楽なものなので、ぜひ一緒に楽しんでもらえれば幸せである。